テストが概ね完了したら、本番移行の計画を行います。本番移行するには、運用開始できる状態かを見極めます。
不具合や要望が全て対応できてなくても良いです。不具合にも重大なものの軽微なものがあります。重大な不具合とは、これが解消されないと、運用が出来ない、または運用しても、マイナス面が大きくて、運用開始する意味がないような不具合です。逆に警備な不具合とは、運用上、実際にはあまり問題が無い不具合です。重大な不具合が解消されて、事実上、運用開始後に対応しても大丈夫な警備な不具合を抱えている状態なら、本番移行します。システムを導入する目的は何かしらの価値を得たいからです。それを早く実現する方が大事です。例えば、理想的な価値が100だとすると、今は90の価値しか発揮しないとします。完璧を求めて残りの10を対応している時間がもったいないので、さっさと使い始めて価値をどんどん享受しようという発想を持つ事が大切です。
要望も同じです。要望とはあくまで要望です。そもそもの企画にはなかったものです。そのそもの企画で100の価値を出すと企画したとします。要望を実現すれば、110の価値が出るとします。不具合の判断と同じで、システム価値を110にする時間がもったいないと考えます。とっとと、システムの運用を開始して、100の価値をどんどん享受するべきだと思います。運用してから、追加的に要望に対応して、後から110にしてあげれば良いのです。
また、何日もかかる本番移行作業なら、切り戻しの判断も必要です。例えば、データ移行が10時間以上かかる見込みだとします。その場合、途中で失敗した場合、もう一回やるチャンスがあるのか?また、想定以上に時間がかかっている場合、そのまま継続するべきか、そして、それを継続して結局失敗した場合、もとに戻せる時間があるのか?このような事を計画します。必ず、最悪の事態を想定して、実際は、楽観的に明るく作業を実施しましょう。
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