電力業界とIT業界は一体となるべき

IT

第一次産業革命で、蒸気機関と動力とした。この時は動力源とそれを使うものは直接繋がっていないといけなかった。

第二次産業革命では電力を動力とした。電力は遠くに運ぶ事が出来るのが蒸気機関との大きな違いだ。これにより、動力源は広範囲に利用可能になった。文字通り、経済発展の大きな動力源になった。

今、日本は人口減に入ってきており、インフラの維持管理も考え方を変えないといけない。戦後、日本は大規模にインフラを開発・維持してきた。これは人口ボーナス期にはうまく機能した。しかし、人口オーナス期になれば、インフラの維持そのものが出来なくなる。人口1万人に提供していたインフラが、人口1000人になったら、これは維持できない。提供者側の自治体や企業側からすると維持するコストが合わないからだ。供給を受ける我々側も、過疎地には住まない等、利用者として協力しないといけないかも知れない。

足元では、電力の供給自体が難しい問題に直面している。日本は3.11以降、原発を動かすの事を殆どやめている。2010年は原発は28%を占めていたが、2021年では7%だ。当然、作れる電力量は減っている。電力量を増やす為には、他の手法で電力を作るしかない。ひとつは化石燃料を燃やす事だ。2010年は天然ガスと石炭の割合が57%だったが、2021年には65%まで増えている。天然ガスや石炭を燃やす事は世界的な脱炭素の流れと完全に逆行する。もう一つは、再生可能エネルギーの利用だ。しかし、再エネは全体の2021年時点で13%だ。

【1-2-07】 電源別発受電電力量の推移 | エネ百科|きみと未来と。 (ene100.jp)

供給側としてできるのは、在庫量の融通だ。電力会社で電力を融通しあっている。しかしこれは人間の指示によって行っている。各地で作られている電力を、自動的に必要な地域に配る事が出来れば、理想的だ。日本全体として電力供給の最適化を行えばよい。

また、国民も電力の供給者になれる。EVの電池が余っているなら、それを家で、売電できる仕組みがあれば良い。イオン等の大型駐車場で停車中に電力を提供して、ポイントを貰う案もポイント好きの日本では受けそうだ。このように日本全国で余っている電力を集める事で、供給量を増やす事が出来る。

ここでIT業界がやってきたようにデータベース構築とそのネットワーク化が必要だ。日本全国のどこにどれだけの電力が蓄電されているのかという情報が一元的なデータベースとして管理されていなければならない。そして、そのデータベースは日本のどこからでも瞬時にアクセスして利用可能になっている必要がある。ここまで出来れば、日本全体での電力最適化の姿も見えてくる。

電気の融通という意味では、発想次第で、データセンターでも実現が可能だ。例えば、A地点のデータセンターが忙しくなり、電力が足りなくなってきたとする。その場合、A地点でのデータセンターの仕事を光ファイバーでB地点のデータセンターが受け持つようにしたらどうだろうか。その場合、前述した電力の融通と同じことを瞬時に行っている事と同じになる。

エネルギー問題を解決するには、IT業界と電気業界は協力する事が不可欠だろう。ITはAIに代表されるデータ活用とそのネットワーク化を行ってきた。電力業界も同じように電力をデータの様に見立てて、データ(電気)はどこで作るのが最適か、作ったデータ(電気)はどこに保存するべきか、そして、たまったデータ(電気)はどこで利用されるのが最適化という考え方を参考にしてほしい。電力を取り巻く状況も一気に改善するだろう。

最後にEVそのものを考えてみたい。EVは革命的で、人口減少問題にも貢献できる。

EVは車という概念も変える事が出来る。例えば、人が乗れるドローンがあるが、空飛ぶ車と人が乗れるドローンは限りなく差がなくなってくると思う。スカイドライブは「空飛ぶ車」を開発しているが、それはいわゆる従来の車の形をしていない。

株式会社SkyDrive | 空を、走ろう。
空を、走ろう。

車とは車輪があり、地面を走らなくてはならないという概念も変わってくる。要するに快適に目的地まで到着すれば良い。天候の問題もあるだろうから、空飛ぶ車が全てという訳ではないが、車とはこういうものだという20世紀の常識概念は創造的に壊れて良いと思う。

これはインフラ維持の問題にも貢献する。空飛ぶ車があれば、車が走りやすい綺麗な道路を維持する必要ない。道路の維持どころかそれを作る事自体必要もない。




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