以下の動画をみました。復習です。
リチウムイオン電池は高密度ですごく力が強い。レアメタルが使われているのが要因。テスラはこれを使っていたが、レアメタルを使う事が生産のネックになっていた。レアメタルは希少だからだ。
王伝福はレアメタルを使わない電池を開発した。それがリン酸鉄リチウムイオン電池。しかしこれはレアメタルに比べ、かさ張るのが問題だった。解決法として、モジュール型の形をやめて、ブレードバッテリーとした。これにより省スペース化を実現した。BYDが全車種でこのブレードバッテリーを搭載した。
王伝福は更にしたたかだ。自社開発したブレードバッテリーをなんと外販する事にして、テスラにも供給する事にした。これにより、自社の車が事実上参入できないアメリカ市場でも売上を上げる事を実現している。
そしてBYDは2022年ガソリン車の完全撤退を決めて、EVに完全に舵を切った。2022年EV販売台数はテスラが1位で131万台。2位はBYDの91万台。そして、トヨタは11万台で、27位。そしてEV車載電池シェアは世界3位になった。
人員拡大も半端じゃない。深圳本社には50万人の従業員がいる。
BYDは日本で普及するのか?それは4つのハードルの乗り越える必要がある。一つは後続距離。これは問題ない。BYDのEVの平均航続距離は445kmだ。二つ目は価格帯だ。BYDは9月20日、コンパクトEV「ドルフィン」を発売した。日本国内では2モデル目となり価格は363万円~407万円。補助金を使えば300万円を切る事も可能だ。BYDのDOLPHINは日産のリーフとほぼ同じスペックだが、リーフより百万円位安い。三つ目は選択肢。こちらもモデルが増えてきている。最後は充電インフラだ。日本では充電インフラが十分でない。しかし、これは時間が経過すれば、充電ステーションは拡大するだろうとBYDは思っている。実際は、中国でも10年前は充電ステーションが無かったが、ガソリン車からEVシフトが進み、アッという目にガソリンスタンドが充電スタンドになったという。
BYDはテスラが日本市場で取りこぼしてる所も狙っている。テスラは基本的にネット販売だ。しかし、まだ車をネットで注文する事は、日本では一般的ではない。そこで2025年までに100店舗のディーラーを作る事を計画している。販売方法は、従来通り、お店に足を運んでもらい、そこで販売するというやり方を考えている。
対するトヨタは三つの負の遺産がある。一つは内燃機関。二つ目がサプライチェーン網。三つめがディーラー網。これはガソリン車の製造と販売では強みだった。しかしEVは車の作り方が全く違う。従って、これらのガソリン車の為の優秀な資産が、EVでは全く使えない負の資産となってしまう。
トヨタもようやくEVを作る専用工場を立ち上げる。そして2026年までに10モデルのEVを投入するといういう。BYDは2023年日本市場に参入している一方、トヨタは3年遅れてくる市場に入ってくる。遅すぎる。トヨタは車体・電子制御・ソフトウェアの全てにおいて、EV用に一から作るといっている。トヨタはEVの別会社を作るようなものだ。これでは時間がかかるのも無理もない。
ドイツも同じことが起きている。Bloombergによると、BYDは2023年の1から3月(第1四半期)の乗用車販売台数が44万台を超え、フォルクスワーゲンを上回った。
資料: https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-26/RTP04QDWLU6901
フォルクスワーゲンもこれから本格的にEVに取り組む。しかしドイツは経済が停滞している。ロシアからノルドストリームを止められてる。その為、エネルギー供給がひっ迫して、経済に影響を与えている。
日本とドイツのガソリン車の王者が窮地に立たされている。
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