組織にはガバナンスが必要(しんがり ~山一證券 最後の聖戦~より)

組織

しんがり ~山一證券 最後の聖戦~を見ました。

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日本における組織構造のあり方を考察出来ました。

日本では君主に仕えます。かつて日本は各地方で殿様がおり、そこに多くの家臣が使えていました。基本的に家臣、およびその家は一生、同じ殿様に仕えます。家臣は主君の為に一生の人生を捧げます。作品の中でも山一證券の社員は会社を愛し、会社の為に身を粉にして働く姿が描かれています。ギョウカンと呼ばれる社内業務を監査する業務監理課は山一証券の不正の原因を追究して、明らかにするため、昼夜問わず働きます。山一証券は飛ばしなど、損失隠しの不正取引をしているにも関わらず、業務管理課の社員は最後までヤマイチという国を愛している家臣団のようでした。実際セリフの中にも「謀反を起こす」などとまさに家臣が使うような言葉もありました。

また日本では女性は社会では主役になる事が難しいです。君主は男であり、そこに仕える家臣団も全員男だ。君主や家臣団が国を治める為に行う話し合いの場に、女性が彼らと同じ地位で参加する事はないし、戦や政治に参戦する事もない。ドラマでも役員は全て男性だった。女性役員は全くいないどころか女性の管理職や営業職も登場しなかった。代わりに秘書や事務職の女性が登場していた。ドラマの中では、秘書の女性の一人が男性社員にお茶やコーヒーを入れるシーンがあった。20世紀の日本の会社が女性をどう見ているかをよく表しているシーンだと思った。女性はあくまで男性を補助する為の役割として認識されていると感じた。

最後に組織におけるガバナンスの弱さを感じました。日本に限った事ではないが、リーダーに権力が集中すると、必ずその権力は暴走する。かつての中国を治めていた秦の始皇帝は天下統一するまでは良かったが、その後、焚書坑儒等、あまりにも残虐な政治手法が人民から恐れられた。しかし圧倒的な権力をもつリーダーを誰も止める事は出来なかった。ドラマでも、山一証券は長年に渡り巨額の損失を隠す為の不正処理を行ってきた。組織のトップとその派閥に権力が集まり、もし、そこが暴走すると、誰も止められなくなる。

これらを良い方向に変えるには、常に一か所に権力が集中しない仕組みを作り、その仕組み自体が腐敗しないように改善し続ける事だ。仕組みがうまく機能しているかチェックする為の仕組みであるガバナンスには多様な視点が必要だ。管理職や役員や監理組織には社内の男性だけでなく、社内・社外問わず女性を入れる事も必要だろう。

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