今回までオブジェクトへのアクセス権と項目へのアクセス権を確認しました。次へレコードへのアクセス権です。オブジェクトという入れ物には沢山のレコードが入っています。そのうちのどのレコードにアクセスできるのかを設定します。
全体像では以下の4番の箇所です。
レコードアクセス権の暗黙的な大前提として、「所有者が自分であるレコードには参照・更新・削除の完全なアクセス権がある」となっております。従って、これは暗黙的な前提なので、設定はありません。レコードのアクセス権の設定とは以下の二つの事を決めるというイメージです。
1.自分が所有者のレコードに対して、自分にどういうアクセス権を与えるか・・・参照・更新・削除が可能。大前提して決まっているので、実際には設定不要。
2.自分が所有者のレコードに対して、他人にどういうアクセス権を与えるか・・・オブジェクト毎に設定する。但し、削除は許しません。この削除の考え方も大前提として決まっているので、設定不要。
従って、レコードのアクセス権の設定は、上記2の「自分が所有者のレコードに対して、他人にどういうアクセス権を与えるか?」という事を行います。レコードのアクセス権には主に以下ものがあります。
種類 | 内容 |
非公開 | 他人は自分が所有するレコードに対してアクセスさせない |
公開/参照のみ | 他人は自分が所有するレコードに対して参照のみ可能 |
公開/参照・更新可能 | 他人は自分が所有するレコードはたいして、参照も更新も可能 |
具体的な設定は「組織の共有設定」で行います。取引先責任者を例に確認します。
「非公開」の設定は以下の通りです。
取引先責任者を作成します。
この取引先責任者と異なるユーザがその取引先のページを表示しても、その取引先責任者は表示されません。
「公開/参照のみ」の設定は以下の通りです。
この取引先責任者と異なるユーザがその取引先のページを表示すると、その取引先責任者は表示されます。
しかし、編集して「保存」を押すと編集は出来ないと警告されます。
「公開/参照・更新可能」の設定は以下の通りです。
この取引先責任者と異なるユーザがその取引先のページを表示すると、その取引先責任者は表示されます。メールアドレスは空欄です。
メールアドレスを入力して保存する事が可能です。
「親レコードに連動」という設定もあります。オブジェクト間で親子関係があるものは親の設定をそのまま使うという意味です。例えば取引先責任者の親レコードは取引先となります。
また、「公開/参照・更新・所有者の移行」という設定もあります。参照と更新に加えて、所有者の移行も可能という意味です。
最後にオブジェクトへのアクセス権とレコードへのアクセス権を異なるアクセス権を指定する場合も確認します。例えば、オブジェクトには「更新不可」のアクセス権が設定されており、レコードには、「更新可能」のアクセス権が設定されているとします。当然、レコードの更新は不可です。オブジェクトレベルで更新が不可になっていますので。
オブジェクトの権限は更新不可にします。
レコードでは更新可能とします。
取引先責任者のページを開くと、オブジェクトレベルで更新権限がないので、編集ボタンそのものが表示されません。オブジェクトのアクセス権の記事で確認した通りです。
纏めると以下の通りです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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