勝つイメージがあるか

価値観

ゆずポンこと愛川ゆず季のYouTubeチャンネルを見ていると、たまにプロレスの勝敗予想や試合後の感想を語って回があります。そこで、度々聞いた事があるセリフで印象的なものがありました。「〇〇選手が勝つイメージが湧かなかった。」「どういう流れでどういう技で勝つかのイメージが出来なかった」こんな趣旨の事を言っていたと思います。この言葉にはハッとしました。確かに私も試合を見ながら、その試合がどう決まるかまでのイメージを無意識に持ちながら試合を見ているのかなと思いました。

プロレスの試合はどうやってスリーカウントが入るのか?という事を考えさせられました。どちらかが諦めたら?技が強烈だったから?得意技を決めたから?私が出した答えは「見ている観客が終わると思ったら、そこでスリーカウントが入る」という事でした。もし、観客が「え?これでスリーカウントが入るの?」というタイミングでは基本的に絶対にスリーカウントは入らない。「あー、もう終わったーー!」と観客が思ったら、そこでスリーカウントが入るのである。

では、どうやってレスラーやレフェリーは観客が「終わる」と思う瞬間が分かるのか?観客は観戦に「あーー、終わったーーー!」とはっきりと声を出して教えてくれる訳ではない。しかし、観客全員が「あーーー、終わったーーー!」と思う時に、まさに試合が終わるのである。つまり選手側と観客が「あーー、終わったーーーー!」と思う瞬間が一致しているのだろう。

この認識の一致はどうやって作るのか。それが長年の試合である。選手は、勝利を得るまで技の組み立て、試合の流れ、最終的な得意技までの一連の流れを何年もかけて作り出す。観客もそれを何年もかけて観ていく。そうやって認識の一致をレスラーと観客は共同して行っているのだ。まさに共同作業だ。レスラーが試合を作り、そしてお客さんもまた試合を作っているのである。

もし、この「認識の一致」がずれた場合どうなるだろうか。観客はあっけにとられるかもしれない。不満が残るのかも知れない。一番最悪にこれが現れた結果が、例えば、観客の暴動だろう。過去、新日本プロレスでは度々観客が暴動を起こした。期待している結果と全く違う結果を見せられた結果であろう。

レスラーからすれば、「お客様に勝つイメージを持ってもらう」という事に成功すれば、そのレスラーは試合でスリーカウントが取れるのである。

仕事で他者から「あなたに任せれば大丈夫」というイメージを持ってもらっているだろうか。ちゃんとスリーカウントが取れると思って貰えているだろうか。もしそうなら、それは即時身につけたものであろうか。それは自分だけで作り上げたものだろうか。違うだろう。長い期間をかけて、創り上げたものだろう。相手という存在と一緒に作りあげたものであろう。もし相手という存在を無視すれば、無人島で見えない相手に技をかけているようなものかも知れない。

最後までお読みいただきありがとうございました。




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