アントニオ猪木自伝を読んで

価値観

燃える闘魂。このフレーズを使う事が出来る人物は世界でただ一人しかいない。著書の中で、この闘魂は師匠である力道山から受け継いだものだと書いてある。著書では猪木は闘魂をこう説明している。

闘魂とは己に打ち勝ち戦いを通じて自分の魂を磨くことである。

最大の敵は自分という事なのだろう。著書の中で自殺を考えた時期もあったとあり、衝撃的だった。著書を読んでいると、いかに苦しい状況でも、とくかく前向きに逃げずに自らの道を進んできた事がよく分かる。ギリシャ哲学も少し思い出した。ギリシャ哲学は殆ど分からないが、昔、ギリシャの哲学者の事を紹介する本を読んでいると、よく「よい魂」とか「魂を磨く」というような訳に出会った。「よい魂」とか「魂を磨く」という表現自体が、日常的に使わないので、言いたい事は分かるが、しっくりこない訳だなぁと思っていました。敢えて「精神」と言わず「魂」という言葉を選択しています。「魂」というと、よりそのもの自体に意思を持っているような感じがします。「言霊」(漢字は違うけど)という言葉もある通り、何か「意思」との繋がりを感じさせる言葉が「魂」かなと思いました。

また、猪木と言えば、東京ドームでの詩もあまりに有名だ。

この道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ。

危ぶめば道はなし

踏み出せば その一足が道となり

その一足が道となる

迷わず行けば行けよ

行けばわかるさ

恥ずかしながら、この詩を猪木引退試合で初めて知った。その後、新日本プロレス道場にこの詩が掲げられてる映像を見て、更に驚いた。昔から大切にされている言葉だったようです。

引退で詩を読んだ後、最後にこう付け加えています。

道はどんなに険しくても笑いながら行こうぜ

これも勇気が出る言葉です。神様は乗り越えられない壁・試練は与えないという言葉を思い出しました。今の試練は絶対に乗り越えられるものだと勇気づけられます。

猪木と言えば、対比されるのが、馬場です。一般的なイメージだと猪木と馬場は選手としても、会社としても争ってきたと思われています。それも事実だと思います。しかし著書の中では、単純なライバル関係というものを超えて、猪木は馬場をよき先輩として、敬っている事がよく分かります。馬場の訃報をブラジルのジャングルで知った時、馬場さんへの思いを綴っている箇所があります。馬場は年齢的には猪木より年上で、社会人の先輩として、猪木を可愛がっており、猪木も「馬場さん」と甘えるように馬場さんと接していたと思う。

これはいい写真だなと思う。

東京スポーツ https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/249762





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