【日本経済再生計画】脱ブラック労働国ニッポン!労働基準法が変われば日本は成長するの復習

人口

以下の動画をみました。復習です。

労働人口とその比率が日本経済のポイントだ。要するに労働人口の割合が多い国は、経済的に発展する。人口ボーナス期とは生産年齢人口(16歳以上65歳未満)がその他の人口の2倍以上あり経済成長がボーナスの様に入る時期だ。この時期は国として支出が少なくなる。なぜなら、高齢者が少なる社会保障に必要な費用も少なるからだ。支出が少ない分、余った金は経済成長に投資すれば良い。昔の日本はこうだった。とっくに人口ボーナス期は終わっている。2004年から日本の人口は減り始めている。

中国は人口ボーナス期が終わろうとしている。インドはこれから人口ボーナス期が来る。

逆に労働人口の割合が少ない状態は人口オーナス期だ。日本は人口オーナス期に入ったのに人口ボーナス期と同じことをずっとやり続けた。当然、経済成長は見込めない。

オーナス期の戦略とは何か。単純明快だ。動労人口の割合を増やせばよい。ではどうやって増やすか。使われていなかった労働力を使えばよい。一つは女性、もう一つは介護者だ。これらの人は労働するには問題ないが、いたしかない理由で、労働力市場から退出せざるを得なかった。

これだけでは足りない。子供も増やさないといけない。女性や介護者を労働力に加えても短期的な対処であり、将来の労働力、つまり子供が増えなけば、その対処はすぐに効果がなくなる。

日本は女性活躍自体は推進してきた。しかし、そのやり方が間違っていた。女性が活躍できる環境を改善しないまま、女性を労働市場に向かわせた。日本では残業が当たり前で、転勤もしなけばならない。子育てを行う女性にはあまりにハードルが高い。これにより、働く女性は出産は諦めざるを得ない。

男性側もサポート出来ていなかった。日本の会社は無限定責任で社員を思うがままに使う。転勤も残業も従業員は承服する。その褒美として長期雇用が与えられた。つまりイクメンになってくれと言いながら、一方で、男性社員がイクメンになるのは難しかった。

そんな夫婦が出す結論は子供は産まない、または産んでも一人だ、というものだ。2022年の合計特殊出生率は1.26と過去最低だった。

資料: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/kekka.pdf

これは個人の意識変革では治らない問題だ。ならぜなら、労働環境を決めるのは企業だからだ。ではどうやって労働環境を改善するか。法改正しかない。具体的には労働基準法だ。これは世界的にはこれはブラックな内容になっている。一つは労働時間の上限がない。二つ目は時間外割り増しの割増率も国際的に低い。つまり、企業は長時間労働を安値で実施できる。更に悪いのは勤務間インターバルだ。EUは11時間、労働のインターバルを取る事になっている。日本では勤務時間のインターバルは努力目標になっている。つまり無いに等しい。日本企業の無限定の働かせ方の悪さ加減は、企業自身が気づく事が難しい。昔からこのやり方で企業活動をやってきたので、仕方がない。

二人目を産む最大の動機はイクメンだ。厚生省の調査によると、夫が育児参画の時間の長さが大きく影響している事が分かっている。

実は夫はイクメンをやっていると思い込んでいるが、実はやっていない。夫の育児参画時間は国際比較で日本は1.2倍だった。しかし、参画時間そのものは短かった。つまりそのもの参画時間が短く、ちょっと頑張ったくらいでは、育児のサポートになる絶対時間に達していないという事だ。

これは実は深刻な問題に繋がっている。産後女性の死因の一は産後うつによる自殺だ。夫が育児に参画してくれない女性は睡眠時間が十分取れず、朝日を浴びる時間も短い。夫が育児参画出来ない事がこんな悲しい結果にも繋がっている。

根本問題は、男性が長時間労働により育児参画できる時間が全く足りていないという事が明らかになった。ではどうするか。それが安部政権時代の働き方改革だ。短時間で働き、生産性を上げよという事である。今ではみんな忘れている働き方改革担当大臣もいた。

これに反発するのが企業だ。政府は労働基準法を改正しようとしてきた。経団連をはじめとする経済団体が猛反発した。労働基準法を改正するなら、経済団体は安倍政権を指示しないと与党に圧力を与えた。しかしこれは間違えた。

短時間少人数で仕事を完了させるには、チーム戦で対応する必要がある。これを実現するには、業務の可視化と共有が必要だ。これを社内で実行する事で、その企業は長期的には、個人に依存しない仕事が可能になり、結果として生産性の高いそしきになる。しかし、20世紀の人口ボーナス期に成功した経験を持つ、日本企業のトップはこれが理解できない。

悲しい事件が事態を進ませた。電通の高橋まつりさんの自殺問題を機に、2018年にようやく法改正され残業時間の上限が設けられた。それまで労働時間の上限が無かった事から考えれば、大きな進歩かもしれない。しかし、建設業・自動車運転業・医療については、2023年まで例外扱いを行った。来年2024年、いよいよこれらの業界も規制の範囲に入る。大阪万博が間に合わない公算が高く、建設業は特例の延長を話が出ている。もしそうだとしたらそんなブラックな労働条件で出来上がった万博など誰が称賛するのだろうか。

これでもまだ企業は変わろうとしない。カネカでパタハラが明らかになった。育休を取得した男性社員が育休明けに左遷されたのだ。企業は育休申請を断れないので、そもそも育休申請しないようにいやがらせをしたわけだ。

政府はこれも対策しようとした。2021年育児介護休業法が改正され、2022年4月から企業側から育休を取ってもらう事を伝えるという考え方に変えた。男性が申請する必要はない。「申請しにくい」状況を根本から排除したのだ。2022年10月に育休の取り方も現実的になる。具体的には育休の取得も分けて取れる事にした。これにより女性がサポートして欲しい時期に合わせて、男性が休みを取る事が可能になった。2023年4月には1001人以上の企業は、育休の取得率をホームページや有価証券報告書のようなもので公示しなければならなくなった。

しかし、まだ不十分だ。実際は上限を超えて働かせる事も出来る。特別条項付き36協定を結べば、年6回まで月45時間を超える残業を従業員に課す事が可能だ。また、日本では中小企業が圧倒的に多い。実際に99人以下の中小企業でパタハラが多い。

フランスは成功している事例だ。フランス政府は所定労働時間を短くした企業に対しては、企業が負担する社会保険料を引き下げた。企業にインセンティブを与えたのだ。これによりフランス企業は労働生産性が向上した。合計特殊出生率も日本より高い。

資料: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC073HG0X01C22A1000000/

日本政府はここでもやり方を間違える。インセンティブとして補助金をばらまいた。しかし根本的に労働基準法を改正しないと根本的には変わらない。

最終的には国民が怒るしかない。税金のばら撒きをやるだけで、労働環境の根本解決をしていないと世論が形成されてきて、与党支持率が下がれば、政府も動き出す。実際、電通事件後の法改正は国民世論を受けて、首相官邸が動いたと言われている。




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